2016年1月21日木曜日

モンク生活

間が空いてしまいましたが、モンク生活の続きです。
僧院での生活は1週間弱だけでしたが、なかなか経験できない貴重な体験でした。

冬のザガインの朝晩がセーター着ないと凍えてしまうほど寒いこと。袈裟には冬用の着方が存在すること。

これが通常のスタイル。


寒いときの長袖仕様。(左脇開けたら解ける)


朝5時から托鉢に回って、裸足で歩くので足がいてー、いてー、と言い過ぎて、一緒に托鉢に回っていた僧侶たちがみんな"いてー"という単語をマネするようになったこと。実は僧侶達もちょっと痛いけど我慢して言わないこと。






明らかに貧しそうな家の人でもスプーンひと匙分の米を寄付してくれたこと。



小坊主たちと縄跳びやサッカーで遊び尽くしたこと。


この坊主達遊んでばっかりで全然仏教の勉強してないことが分かったこと。

泊めてもらっていた僧院の周りにある無数のパゴダに嫌になるほど連れ回してくれたこと。オススメの瞑想スポットで一緒に瞑想してきたこと。


みんなでご飯を並んで食べたこと。
朝ご飯が朝8時で、昼ご飯が11時。全然お腹空かないこと。
でも無理してでも食べないと夜にめちゃくちゃお腹空くこと。

クソ寒いなか井戸水で行水するしかなかったこと。



日本のNGOのジャパンハート様が建てた病院にお邪魔したこと。そこで、日本人の僧侶(私)と日本に住んでた

ミャンマー人僧侶が日本人が経営するミャンマーの病院で出会い、カオスな状況になったこと。



夜18時からのお経の時間に座り方がなってないと叱られたこと。全く分からなかったパーリー語のお経の意味や発音を教えてもらったこと。



夜にお腹が空いたと話していたら、仲良くなった僧侶一人が毎晩台所からトマトを持ってきてくれたこと。
トマトはフルーツ扱いだから昼以降に食べてもいいということ。
そう言う割にはコソコソしながら持ってきて自分よりたくさん食べて帰って行ったこと。



毎晩若い僧侶たちと夜に瞑想スペースのブッダ像の前でトランプで遊んだこと。
ヘッドモンクに見つかりそうになってめちゃくちゃ焦ったこと。




若僧侶たちにくだらない日本語を教えてめちゃくちゃ感謝されたこと。



その日本語を使ってみたいということで出かけた外国人向けの観光地で話しかけた相手が韓国人だったこと。待てども待てども日本人が現れなかったこと。
人生初めて外国人に"一緒に写真撮ってください"と頼まれてちょっとはにかんだこと。



自分になついてくれて、ずっと手を繋いでいた小坊主が最後に泣いてくれたこと。


特別な存在で近寄り難かった僧侶達が普通の人間と言ってはいけないけれど、正直なところ普通の人間、子供たちなんだなと分かったこと。




全てのことがこのクレイジーなモンク達に感謝です。

次来たときにまだ彼らがいるかどうかは分からない一期一会だけど、絶対にまた来よう。


2016年1月11日月曜日

得度式

ミャンマーは大仏教国です。経済中心地のヤンゴンにいても、お坊さんは日常的に見かけるし、国民皆に寄付の文化も根付いています。
ミャンマー人はより良い来世のためにクドー(功徳)を積むことが一番大切なことだと考えています。そして、子供の特に男の子の出家が何物にも変えられない最高のクドーとされています。
なので、出家することは自分自身のためだけでなく、親孝行の一面もあります。
ミャンマーには一時出家という伝統もあり、四月の水かけ祭りの際に短期出家をする人もたくさんいます。


私の場合は、せっかくミャンマーに来たんだから、ミャンマー文化の体幹の仏教を一度味わってみたいという好奇心だけで、出家しました。完全にファッション坊主です。ごめんなさい。

出家をするにあたり、得度式という人間から僧侶になるための儀式があります。
まずは剃髪です。
人生初のスキンヘッド。



つづいて、ティンガン(袈裟)を纏います。なかなか着方が難しく最後まで周りの人に手伝ってもらってました。
ちなみに僧侶は全員ノーパンということをこの時初めて知りました。



そして、三拝をして、懺悔の言葉を言います。この辺りの言葉は全てパーリー語という世界中の僧侶が使う言葉なので全く分かりませんので、師僧がゆっくり言ってくれた言葉を聞こえたまま発声するだけでした。
出家する本人が自分の言葉で発しなければ、僧侶にはなれません。

懺悔の言葉を唱え、これまで蓄積されてきた汚れが落ちきったあとは戒律の言葉を唱えます。内容は、

・生き物を殺さない
・窃盗をしない
・性行為をしない
・正午以降食事をしない
・嘘をつかない
・酒ドラッグをとらない
・高い場所で寝ない
・香水や装飾品をつけない

晩御飯がないこと以外は余裕ですね。

15分くらい唱えていましたが、この間はずっとヤンキー座りです。
日本だと正座が敬意を示す座り方ですが、こちらではヤンキー座りです。
ヤンキー座りがこんなに辛いものとは知りませんでした。写真ではカカトが浮いてしまっていますが、これはダメな座り方です。後日先輩僧侶に叩かれました。



以上の儀式が終わって、人間から僧侶になりました。
Shin Sandar WaraというBuddhism name をもらいました。意味はGreat Moonです。



2016年1月10日日曜日

ザガインで出家

年末年始をザガインの僧院で過ごしてきました。

以前マンダレーに住む友人が支援する僧院を紹介してもらい、そこで出家しました。

ザガイン管区にはザガインヒルという山があり、ここに1000以上のパゴダと500近い僧院があります。ミャンマー人がザガインに行くことは出家してくるというのと同じような意味で使います。





私が行った僧院はトーチョールーという名前でして、孤児院の役割も担っています。
成人前の小僧(コーウィン)が40人ほど、成人後の僧侶(ウーズィン)が15人程度、大僧侶(ポンヂー)1人という構成です。




友人からは英語ができるボランティアがいるから不明点があれば彼女に聞くといいと言っていたのに、行ってみるとちょうど帰省中で、誰も英語をすこしも話しません。

初日は僧院の案内や、近くを散歩したり、出家前なので晩御飯を振舞ってもらったりしているうちに暗くなり、寝床の準備をしてもらいました。


寝床は瞑想用の洞穴です。
ここに固い固い木のベッドを組み立てくれてその上にブランケット一枚被せて完了です。



奥に仏像があり、時折僧院内外の僧侶がやってきて、瞑想して帰っていきます。





自分はどこでも寝れる人間なんですが、瞑想用の洞穴の中で寝泊まりしたのはさすがに初めてで、妙な興奮からなかなか寝付けない夜でした。


僧院の朝は早いです。
朝の5時15分に鐘が鳴り起き始めます。
顔を洗い、托鉢の準備が始まります。


まだ出家前の自分は托鉢の列にはもちろん入れないので、少し離れたところから歩いて追いかける形で一緒に行かせてもらいました。


僧院から町までは徒歩30分くらい。
そこから1時間近く街中を歩きまわり、また30分かけて僧院に帰ってきます。
2時間歩き回るので帰ってきたころにはもうヘトヘトです。




托鉢で貰ってきたご飯を皆で分け合います。





ちなみに私はこの時点ではまだ出家していないので、別の場所で一人で食べます。僧侶と普通の人が同じ席でご飯を食べることはありません。